高卒採用求人サイト「ハリケンナビ」を20年運営している(株)ハリアー研究所と申します!

みなさんは「高卒採用」という採用手法をご存知でしょうか?
新卒採用といえば大学新卒採用(以下、大卒採用)が有名ですが、大卒採用とは異なる魅力があり、高卒採用に取り組まれる企業が増えております。
高卒採用には大卒採用にはない特殊なルールがあるばかりか、競合他社の情報を入手することができないため自社の努力のみで改善することが非常に難しいのです。

しかし、高卒採用には明確な勝ち筋が存在します。
こちらのページではそういった高卒採用のルールや市場概況、高卒採用のメリットや魅力、高卒採用を成功に導くには?など弊社が20年間で培ってきた高卒採用のノウハウをまとめました。
高卒採用をこれから検討されている企業の方や、高卒採用に既に取り組んでいるが苦戦されている企業の方はぜひご一読くださいませ。

高卒採用のルールについて

まずは高卒採用のルールについてです。
比較的自由に取り組める大卒採用と異なり、高卒採用は活動時期やアプローチ方法等に明確なルールが存在します。
これらのルールに抵触しますと、最悪の場合次年度採用活動禁止等の重たい処分を受ける可能性があります。

必ずハローワークに求人票を提出する

求人条件の提示に厳密なルールがない大学新卒採用とは異なり、高卒採用では必ずハローワークに高卒採用専用の求人票を提出しなければなりません。
また、月給○○万円以上(※経験等による)というような記載方法はNGで、具体的な給与額等を記入しなければなりません。
そして、この求人票は高校本人のみならず先生・保護者も必ず見る高卒採用で一番重要なツールで、
この求人票をいかに磨き上げるかが高卒採用の成功を左右します。

高卒採用専用の求人票

大卒採用とは異なる高卒採用ならではの選考スケジュール

高卒採用のスケジュールは以下の流れとなります。

6月1日:求人票受理申請開始
7月1日:求人票の情報解禁→高卒採用スタート
9月5日:応募受付開始
9月16日:選考開始
10月1日以降:二次募集期間スタート(都道府県により時期が異なる)

大学新卒採用の場合も同様に広報開始日、選考開始日等の採用スケジュールが定められておりますが、他社を出し抜くために前倒しで採用活動を行ったとしてもなんらペナルティはございません。
しかし高卒採用の場合は上記のスケジュールは絶対的なものです。
情報解禁日より前の募集条件の提示や、選考開始日前の選考実施は一切認められず、発覚した場合には確実に重い処分が課されます。

高卒採用ならではの特殊なルール

求人票スケジュール以外にも、大卒採用にはない高卒採用ならではの特殊なルールがあります。

高校生本人への直接的なアプローチの禁止

大卒採用では、企業が独自に電話やメール等を用いて大学生にアプローチを行い、説明会や選考への参加を促すことができますが、高卒採用ではできません。
そのため、企業PRや選考時の連絡等は必ず学校の先生を経由しなければなりません。

原則専願制であること

大卒採用では何十社と選考を受け、複数の内定を勝ち取った上で入社する1社を選ぶということが当たり前となっておりますが、高卒採用では選考を受けられるのは1社のみで、同時に何社も受けることができません。
ですので、内定となればその時点で就職活動は終了となり、不採用の場合のみ次の企業を受けられます。
ただ、10月1日以降の二次募集期間からは併願が可能となりますが、それでも同時に受けられるのは2社までとなります。
※こちらは和歌山や大阪等、一部の地域では最初から併願可能となりました。徐々に全国に広がっていくと考えらます。

書類審査不可で選考は原則1回のみ

大卒採用等の採用活動では書類選考→面接という流れが一般的ですが、高卒採用では応募してきた高校生は必ず選考を受けさせなければなりません。
また、選考回数も大卒採用等では複数回選考を重ねる企業も多いかと思いますが、高卒採用では特別な事情がない限り選考は1回のみとなります。

以上が高卒採用ならではの特殊なルールとなります。
これらのルールは企業のみならず高校生にとっても不利な一面もありますが、「高校生は学業を学ぶことが主務である」という考えから、高校生活を保護するために設けられています。
しかし、別の視点から見ると、このようなルールがあるからこそ大手有名企業も零細企業も平等に戦うことでき、採用の勝ち筋があるとも言えるのです。

高卒採用市場の概況

上記のように大卒採用とルールが大きく異なる高卒採用ですが、求人倍率等市場の状況は大卒と比較するとどうなっているのでしょうか。

2022年度卒業の大卒採用の求人数が676,000件、求職者数が450,000人で求人倍率が1.50倍であったのに対し、高卒採用の求人数は389,637件、求職者数は134,765人で求人倍率は2.89倍と、大卒と比べ倍近く求人倍率が高くなっております。

高卒大卒対大卒比
求人数389,637676,00057.64%
求職者数134,765450,00029.95%
求人倍率2.891.50192.67%

実はこの傾向は2012年から始まっており、大卒の求人倍率があまり変わっていない一方で高卒の求人倍率は年々高騰していっております。

この要因としては以下2点考えられます。

  1. 大学進学率の向上や少子化による求職者の減少。
  2. 学歴による区別を撤廃した企業や、大卒採用で苦戦している企業が高卒採用市場に参戦したことによる求人数の増加。

大学進学率の向上や少子化による求職者の減少

1点目の求職者の減少についてです。大卒高卒を比較すると高卒の求職者が大幅に減少していることがわかります。

これは「進学率の向上」と「満18歳未満人口の減少」が影響しているためと考えられます。

進学率は全体では上昇傾向にあります。これは奨学金制度や資格・就学支援の充実など、大学や専門学校による努力の賜物の成果と考えられます。

対して、満18歳人口とニアリーイコールである高等学校卒業者数は減少傾向にあります。
にもかかわらず大卒の求職者がまだ減少傾向にないのは4年間のタイムラグがあるからと考えられ、大卒の求職者もいずれは減少傾向に転じることは確実です。

学歴による区別を撤廃した企業や、大卒採用で苦戦している企業が高卒採用市場に参戦したことによる求人数の増加

次に2点目の求人数についてです。
こちらも大卒と比べると、求職者数ほどの差ではありませんが高卒の求人数増加ペースが上回っております。

このように、求職者は減少しているのに求人数は増加しているのが高卒採用市場ですが、それでも採用に成功している企業は数多くあります。

高卒採用の魅力やメリット

高卒採用の魅力・メリットは大きく2つあります。

高卒人材は離職率が低い

高卒採用を行うメリットの1つ目は、離職率の低さです。
…と申し上げると、人事経験が長い方からは「何を言っているんだ」とお叱りを受けるかもしれません。
実際、昔は学歴別の3年後離職率は「七五三」と言われておりました。
中卒は7割、高卒は5割、大卒は3割が入社後3年以内に離職することを揶揄した言葉です。
しかし、最新の離職率はこうなっているのです。

大卒は31.2%と七五三の時代から大きく変わってはおりませんが、高卒はなんと50%と言われていた時代から36.9%まで低下しており、大卒に次ぐ離職率の低さとなっております。

しかし、年次別の離職率を見てみるとここに大卒と高卒の違いが表れております。

大卒は1年目の離職率が11.6%、2年目11.3%、3年目が8.3%となっていることに対し高卒は1年目が16.9%、2年目が11.9%、3年目が8.1%と1年目の離職率が高めとなっております。
しかしこれは、アルバイト等の社会経験が乏しいまま社会人となってしまう高校生が多いため、ある程度は仕方がないと弊社は考えています。
ですが、2年目・3年目の離職率は大卒とほぼ変わりません。
これが高卒採用の魅力・メリットの1つ目です。

学校とのパイプを築きやすい

2つ目の魅力・メリットは、学校とのパイプを築きやすいということです。
基本的に大学生本人という個にアプローチする大卒に対し、高卒採用は先述の通り必ず学校を経由しなければなりません。
このルールは企業側にとってデメリットしかないように思えますが、毎年入れ替わっていく大学生と違い、学校の進路指導の先生は毎年変わることはありません。
そして、先生の心理としてまったく知らない企業よりも採用実績があり、卒業生が活躍している企業の方が生徒に紹介しやすいのです。
求人倍率が2.89倍のこのご時勢、最初の1人を採用することは簡単ではございません。
しかし、その難関をクリアし高卒採用者を定着させられれば、毎年のように生徒を貴社に紹介してくださるようになります。

高卒採用成功のための4つのポイント

いままでの項で高卒採用の現状についてご理解いただけたと思います。
そんな高卒採用で成功するためのポイントとはどういうものなのか。
ここでは4つご紹介いたします。

どんな学生に来てほしいか明確にする

まずは採用におけるペルソナ(ターゲット)の設定です。高卒であれば誰でもいい、では決して成功できません。
なぜならばそのような求人には魅力を感じないからです。

高校生本人に自分が必要とされている、自分も活躍できそうな仕事・職場であると感じさせられる求人こそ採用成功に繋がる求人なのです。

そのため、少なくとも以下の項目について自社の業務内容や理念、ビジョンと照らし合わせて考えてみてください。

・地元の高校生か県外からくる高校生か
・チームプレーで輝くタイプか、コツコツ作業で輝くタイプか
・人と接することが好きか、機械作業が好きか
・新しいことにチャレンジしていきたいか、得意なことを伸ばしていきたいか
・体を動かすことが好きか、頭を使う方が好きか

自社の強みを洗い出し他社との差別化を図る

自社で働いていたら当然で強みでもなんでもないと思われている点も、
実は高校生や先生方からすると魅力となる点は数多くあります。
例えば、

・頭髪やネイル、服装等自由
・取引先が大手有名企業
・一生モノの資格や技術を身に着けられる
・誕生日休暇などのめずらしい制度がある
・創業から○○年以上と歴史がある

などがあげられます。
現在貴社で働かれている従業員の方は貴社になにかしらの魅力を感じ働かれているはずです。
この機会にその魅力をヒアリングし、貴社の強みとして認識されてみてはいかがでしょうか。

高校生や先生を惹きつける求人票を作成する

現在、高校にはどれくらいの求人票が送られてくるかご存知でしょうか。
学校の規模や就職希望者の数等で偏りはありますが、だいたい1,000枚以上の求人票が送られているのです。
それを全て閲覧し、貴社の求人を発見してもらう…ということは非現実的です。
ですので、他社より目を引く求人票を作成する必要があります。

では他社より目を引き、高校生や先生を惹きつける求人票とはなにか。
それは、上記でご説明した「どんな学生に来てほしいか明確にする」「自社の強みを洗い出し他社との差別化を図る」で洗い出した情報が盛り込まれている求人票です。

先述しました通り、この求人票というのは高卒採用において最重要ツールと言っても過言ではありません。
ですが、ほとんどの求人票がハローワークの指導通りの簡潔なものであるのが現状です。
それではターゲットである高校生にささりませんし、先生方からしてもどのような生徒に紹介すればよいのかわかりません。
なので、先ほどの情報をまとめ求人票に反映させることはシンプルですが非常に大きな意味を持つのです。

そして、この求人票は高校生本人や先生方のみならず保護者も必ず見ます。
当然ながら高校生と大人たちが求人票を見るポイントは異なります。
高校生本人は興味のある仕事、得意そうな仕事を選ぶのに対し大人たちは一生安心して働ける企業であるかを重視します。
終身雇用制度が崩壊し、自身のキャリアアップのために転職することが一般的になってきた昨今ではありますが、高卒採用においては入社した企業で一生働くという前提が手堅く残り続けています。

そのため、仕事内容のみならず待遇面等の充実を図ることも同じく重要です。
初任給の額は当然のこと、30歳になったときにどれくらいの給与を得られるのか、休日はどれくらいあるのか、経営がどれほど安定しているものなのか。
それらを網羅した求人票を作成できてこそ、高卒採用市場の土俵に立つことができるのです。

高校生や先生、保護者の方との関係性を作る

魅力ある求人票を作成することと同じく重要なのが高校生や先生方、保護者の方との関係性を作ることです。
高校生が自分一人で就職先を選ぶことはほぼありません。必ずと言っていいほど、先生方や保護者の方に相談します。

特に保護者の意見は大きく影響し、高校生本人が貴社の選考を受けたいと思っても保護者がNOと言えば選考を受けることができません。
それ以前に、1,000枚以上ある求人票からおすすめの求人を選ぶのは先生方であるため、先生方に貴社が認知されなければ高校生本人の目に触れることすらままなりません。
なので、先生方と保護者、この2人の大人との関係性を作ることがとても重要なのです。
では、どのように関係性を築けばいいか。以下の方法を試してみてください。

先生との関係構築方法

①実際に学校を訪問しご挨拶する

資料や手紙の送付ももちろん手の1つですが、求人票と同様すでに大量の企業が送付しているため、開封されただけで一読すらされずに終わってしまうことも多々あります。
また、電話での挨拶も手段としてはありますが、教員の数が削減されており、生徒の対応で手いっぱいである先生方を電話で長時間引き留めることは難しいでしょう。
なので、直接訪問しご挨拶させていただくことが王道なのですが、コロナの影響により訪問を断られるケースもあります。

②オンラインツールを使用してご挨拶する

最近ではコロナを背景にオンラインツールも進化し、オンラインで打ち合わせなどを行うことが比較的容易になりました。
しかし、予算が厳しく制限されている学校ではオンラインのためにカメラやマイクどころか、個人のメールアドレスやパソコンすらないところも少なくありません。
学校によって環境に差があるということは念頭においておきましょう。

③弊社のような企業やハローワークが主催する先生方との就職情報交換会に参加する

こちらであれば、短時間で多くの先生方とご挨拶いただけますので効率的に関係性を築くことができます。

保護者の方との関係構築方法

① 職場見学に招待する

保護者の方と関係性を築く方法はこの1つしかありません。
高校生が唯一行う就職活動が夏休みを利用した職場見学です。
この際に保護者も職場見学に招待し、貴社の魅力を高校生共々アピールすることが唯一の手段となります。

採用がうまくいかない企業様、1度お話聞かせてください

以上、4項目に渡り高卒採用のルールや現状、メリットやノウハウを記載させていただきました。
しかし、これがすべてではございません。
また、上記ノウハウ等を実践するとなると、人材や時間を満足に割けない企業様もあるかと存じます。
そんな企業様は、ぜひ一度高卒採用専門求人サイト「ハリケンナビ」を運営する弊社(株)ハリアー研究所までご相談ください。
創業から20年間高卒採用一筋で営業してきた弊社には高卒採用のノウハウのみならず、全国3,900校の就職実績校とのパイプ、豊富な採用成功実績がございます。
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